闇の左手
アーシュラ・K・ル・グィン の書いたSF小説、闇の左手を読了。
外交関係を結ぶべく惑星 冬に降り立った、惑星連合体エクーメンよりの使節はやがて陰謀に巻き込まれ…。
というお話。
惑星 冬は過去に放棄された人類の植民地、という設定だが、そこに住まう人たちは一風変わっている。彼らは、両性具有者のみで構成されているのだ。
使節目線と、現地人の目線により両性具有者の社会や性といった物や状況などが細やかに描かれている。
陰謀に巻き込まれたあたりからどきどきしながら読めたような気がするが、全体的には世界の描写が多くの割合を占める小説のように思う。
昔、読みながら寝れなくなって一気に読んだような記憶があるのだが、今回はそこまで面白いと思えなかった。感性が変わったのか、衰えたのか。ヒューゴー・ネビュラ両賞受賞作なので、おもしろさを感じられなかったのは少し寂しい。酷寒の惑星ではあるものの、人間の居住可能地域の話であり、驚けるような仕掛けとかが少ないように思えたのが、おもしろみを感じられなかった理由かもしれない。とはいえ両性具有者の社会の言及についてはけっこう面白かった。
異世界の事を描いた話としては、竜の卵とかを面白く読んだような記憶もあるので、次はもっと変わった世界の話でも読んでみたいと思う。