あんにんにっき。

日々思ったことや、おこったことを記録するブログ。要するに日記。

「知」のソフトウェア

 サブタイトルが、情報のインプット&アウトプット、とあるだけあって、いかにして情報を入力するか、そして出力するか、に付いての筆者の体験に基づく見解が提示されている。
 筆者も書いているのだが、これは筆者の場合の話であり、個人個人により適用されるべき方法論は違うのでできるだけ早く自分なりの方法を身につけるよう勧めている。その際、他者の方法論を参考にすることで完全に一から自分の方法論を構築するよりは早く済む、との事だそうだ。
 初版が1984年とずいぶん古いが、自分なりの方法論を見つけるにあたり、かなり参考になる本だと思う。
 以下、読んだ内容について私なりの理解と、面白いなと思った点についてのメモ。
 

インプットとアウトプットの割合。

 自分に残された時間をどのように配分するのか?
 アウトプットには時間がかかる。だが、インプットが不足するとアウトプットの内容は貧しくなる。インプットだけだとアウトプットの時間が不足する。
 良い出力をするには、「多量の」「良質な」インプットが必要。
 対象をもっとよく知りたい、という欲求が良いインプットを作る。

情報収集

 一次情報にあたる。情報は二次、三次と進むにつれて精度は落ちる。
 情報は、加工した形ではなく元の情報を残しておく。必要に応じて加工が可能である。
 時間対効果。自分のための収集であると割り切る。この辺、超整理法に通ずる物がある。

情報の分類

 分類は手段。目的はアウトプット
 分類を行うにあたり、既存の枠組みでは分類しきれない物が出てくる事がある。その時に、新しい枠組みの分類を考えることで、思考の枠組みも拡張される。
 分類は、知的生産行為である。

本の読み方

 読書にあてられる時間は限られている。無駄と思う物は読まない。プライオリティの順に読む。
 物事に入門するには本を読む。複数種類(傾向の違う物)の入門書を読む。
 分からなくてもとにかく読み進めていく。3種類くらい読めば、概略が俯瞰できるようになる。
 その後、中級書、専門書へと読み進めていく。専門書は分からなくても、まだ分からないという事が分かればよい。そのうち分かるようになってくる。

取材の仕方

 何を聞くべきかについて知っておく
 良い設問ができれば、問題の半分は解決である。
 分からないことはきちんと聞く。そこに新しい取材の発展が有ることもある。
 分からないことを分かったようなふりをするのはよろしくない。


「知」のソフトウェア (講談社現代新書 (722))
立花 隆
講談社 (1984/01)
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おすすめ度の平均: 4.5
5 良書を読むためには悪書を読まないことである
4 「知」の本質は変わらない
5 サブタイトルは「知的財産の効率のよい増やし方」