あんにんにっき。

日々思ったことや、おこったことを記録するブログ。要するに日記。

議論のルールブック

 ネット上の炎上は、議論のルールを身につけていない事から起こる人災、との事らしい。
 この本では、議論の種類や目的を挙げたり、インチキ理論への対処法等、議論を有意義に行うためのルールを検討し提示している。
 議論とは、話を聞くことである、と筆者は言っている。自分の主張を通すために論破する事が目的ではなくて、あくまで話を聞くこと。他者の持つ「異なる視点」を得ることで一つの物事に対して様々な見方をする事ができるようになる事が重要との事らしい。
 そして、異なる視点を持つことが何故重要か、という点に関し、筆者は客観性とは何か、という事について述べている。そして、客観的な事実に近づくために、議論を行うとの事である。
 納得できる答えを得るために議論が行われる、という事はしっくりくる説明であった。


 今までは、議論というのは、相手を無理からにでも論破するというイメージであまりよい印象ではなかった。
 皆で答えを得るために意見を交換する(時には意見を戦わせる)事が目的であれば、それは非常に有意義な事のように思われる。相手の意見を聞くというのは良い目的だ。


 議論というのはいまいち得意ではなかったので(だいたい、ネット上の議論のようなものは人格攻撃も多いし、あまり得る物が無さそうに見えていた)、あまり関わらないようにしていたのだけれども、このルールブックに書かれている事を参考にしつつ議論のメリット(相手の意見を聞く)を得られることができるのではないかと思う。


 ネット上にある様々な意見とは、すなわち「異なる視点」で有りとても貴重な物*1であることを気付かせてくれた本だった。


議論のルールブック (新潮新書)
岩田 宗之
新潮社 (2007/10)
売り上げランキング: 5711
おすすめ度の平均: 4.0
4 面白いけどちょっと読みづらい
4 読み物として面白い
3 タイトルと内容が合っていない

*1:自分と同じ視点であれば、わざわざ得る必要がないので、異なる視点は貴重なのである