「超」整理法
言わずとしれたベストセラー。なんというか、激しくいまさら感漂うけども、私に足りないのは、この当たりの知的生産に関する下地の部分と思うので、読んでみることにした。
1993年に初版が出ているから、15年後にやっと読んだ事になる。
内容のうち、いくつかは時代を感じさせる記述(フロッピー使っていたり、とかね)がある物の、内容は今でも全く色あせていない、というかこれからの時代にさらにマッチしてきているのではないだろうか?と思わせる内容である。まさに、先見の明といえようか。
理論とHOWTOが両方あるので、頭で理解して、実践して理解するのに最適。
物理的な書類に対する章と、電子データに対する章があるので、両対応(この辺の統合をどうするのか、については特に無かったように思う)。
今からでも読み返して損は無い本だと言うことがよく分かった。
とりあえず、気になった点を箇条書きしておく。
- 押し出しファイリング
時系列にファイルをどんどん並べる。使った物は最新扱いにして並べ直す。
よく使う物、今必要な物ほど前に来て、不要な物ほど奥に押し出される。結果、よく使う物ほど検索が容易になる。
また、時間順に並んでいる方が、人間の記憶としては理にかなっているらしい。コレより昔って事は無い、とか。確かにそんな気がする。
- ポケット一つ原則
かならずそこにある、という存在が証明される。逆に、そこになければ存在しないことが証明される。あちこち探し回って有るのか無いのかわからない、というような事がなくなる。
かくして、押し出しファイリングの一カ所に情報は集まる。
著者は、パスポートとかもおいてたりするみたい。
- 捨てる判断が容易になる。
押し出しファイリングを行った場合、一定期間アクセスされない書類等が判明するようになる(奥に来るので)。それらは不要な確率が高い。
- 分類しない。ひたすら時系列に並べる。
分類不要。分類は、複数の分類に分類されるような物や、適切な分類項目が無い場合に判断に迷う。判断に迷うと、結局分類を行わなくなる。
時系列にひたすらに並べる、というのは作業コストが低い。
名刺も、業種別や会社別に並べる、というような事はしないらしい。
- 本も同様に整理可能。
場所コストが大きいので、読まない本とかは捨てる。
が、本は思い入れのような物があるので、理論通りに行かないらしい。まあ、確かにその通り。昔読んだ本とかなかなか捨てられないよなぁ。
- 日誌は個人データベースの基礎
PCでの話。行動記録、業務日誌をきちんと付けて、それを時間順に並べておくと上記の押し出しファイリングに対する索引としても使える。
確かに、個人の記録は有用な気がする。ユビキタスキャプチャーという言葉という言葉もあるし。
このあたり、個人的に確率したいポイント。
筆者は、テキストファイルを使って日記を書くことを勧めている(データの柔軟性)。…良いビューアー欲しいな。
- 予定表はパソコン向きではない
Googleカレンダー等がある現在は、また違った状態にあると思う。
電子メディアは一覧性に難点がある、との事だが。それは確かにそう思う。…良いビューアー(以下略)
- 側理論
コラムの部分。パソコンが苦手、って時にまずブラインドタッチを覚えればよい、との事。
そうすると、パソコンに親しい「側」に心理的に立てる。パソコンが味方、という感覚があれば行動に大きな違いが出てくる、との事。
この理屈は非常に納得できる。
- 物は時間順でなく、分類する方が良い
物は情報と違い、分類項目が安定的。なので、分類した方が良いらしい。
- 発想支援体制
押し出しファイリング等の情報の保存と検索は補助的な作業。
アウトプット、新しいアイディアの生産こそが本来の仕事。
- アイディア生成の3過程
- 取りかかり
ワープロ等で、メモ等を取っていく。潜在意識下で考えているという事が重要。また、始めれば慣性がついてなんとか進む。取りかかりを作っておいてちょくちょく進めていくことで、それは成長していく。 - ゆさぶり
取りかかりの過程で、脳にインプットした後、その情報を寝かせて発酵させる
歩いたりするのも良いらしい
他者に読んでもらう
本や論文等、他の意見を揺さぶりのために読む、というのもある。 - 結晶過程
論をひたすらに纏めていく。個人作業。時には、ゆさぶりの段階に戻ることもある。
- 取りかかり
押出しファイリング
整理法までをも整理してしまった本