あんにんにっき。

日々思ったことや、おこったことを記録するブログ。要するに日記。

電脳コイル12話が面白かった件。

 電脳コイルの12話が面白かった。第4話の電脳戦もしびれる物があったが12話も負けず劣らず面白い。
 作中では電脳世界のコンピュータウィルスとも謎の存在とされる「イリーガル」が、主人公達の顔の上で知恵を持ち、文明を進歩させ、果ては自分たちの生活圏(顔面)からロケットで飛び出す。
 コンピュータ上の情報に過ぎない存在が、文明を持ち、戦争をし、滅びの危機に陥る。なんとも風刺に満ちたおもしろさではないだろうか。しかも作中では翻訳機により語りかけることに成功した主人公ヤサコの、争いを制止する声を無視しての戦争。ヤサコを神として認識しているにもかかわらずだ。
 小さい生き物が文明を持つ過程、という共通点からか、「竜の卵」を連想してしまった。こちらは、中性子星の上で存在する知的生命の進化の過程を描いたSFなのだけれども。電脳コイルの方は、発見した地点で既にイリーガル文明は言語を持っていたが、中性子星での知性の発達の段階は、原始生命体が誕生する辺りから進化の過程が描かれており、SF的な興奮と共に読み進めた記憶がある。
 まあ、知的生命体ってくらいの共通点しかないのだけれども、電脳コイルの12話で、イリーガル文明におもしろさを感じた人なら面白く読める小説なんではないかということでおすすめ。