中性子星
リングワールドで有名なラリイ・ニーヴンの作品。個人的にはリングワールドよりこちらの方が好み。
ノウンスペースと呼ばれる共通の世界を題材にしたスペオペ短編集。
同じ世界を使って話を作っているため、最初の話で出てきた主人公が後の話で出てきてにやりとしたりできる。こういうのは結構好みだったりする。
それに何よりノウンスペースは面白い。
ハイパードライブによる超高速航行なんてのは当然として。
船乗り海蛇セシルの操り人形を両腕の先にはめた、頭の無い三本脚のケンタウルスと形容される異星人、パペッティア人は存在そのものが面白いし、彼らの作り出した絶対破壊不可能な宇宙船の船殻もスペオペの舞台となる(なんと言っても中性子星の表面一マイルまで近づき、銀河の核へと接近するのだから)。
過去に争いで滅びた宇宙の知的種族達の残した遺産なんてのもある。
全8話あるが、中性子星に近づいていく表題の「中性子星」と、Aha!体験を得られた「恵まれざる者」が好みだろうか。
どきどきわくわくスペースオペラという感じではない。先に挙げたSF的ガジェットが組み合わさって、時にそれが中性子星に近づくための仕掛けだったり、時に話のタネだったり。そういうのが組み合わさってSF的な話が作り上げられている。
SFエンターテイメントとして純粋に楽しめた。