ブギーポップは笑わない
風邪で寝てる間、暇だったので読み直してみた。
1998年に出た本だったのか。出て直ぐくらいに読んでいるはずだから、10年前と違った感想を抱いても不思議は無いのかもしれない。
この話は、それぞれの登場人物の視点から一つの事件について書かれている、という形式を取っており、それらを総合することで一つの物語として認識できるようになっている。登場人物達の事件への関わりの度合いは大きく異なっており、当然事件を見つめる視点も違う(一人などは、事件後だいぶたった後の回想視点になっている)。
初めて読んだときは、この仕掛けに関心した物だけど、種の分かっている状態で読み直してみると、なんというか、今ひとつ、という印象になってしまっていた。なんというか、感性が退化しつつあるのだろうか。
シリーズは結構出続けているようで、人気の作品なのだろうと思う。
事件自体はSFが少し入っているものの、ありふれたネタといえばありふれたネタ。それを丁寧に描き、かつ視点を変えて少しずつ明かしていく、という仕掛けの部分が既に分かってしまっているので面白く感じられなかったのだろうか。それとも興味の対象が当時と違ってきているからだろうか。登場人物達が高校生であるため、感情移入しにくくなってきているのかもしれない。
読書メモを当時からつけ続けているべきだったと思う。そうしていれば、自分の変遷という物に気づいたかもしれない。
今からでも遅くないので、読書メモを取ろう、という気持ちになった作品(って、これは作品に対する感想じゃないなぁ)