あんにんにっき。

日々思ったことや、おこったことを記録するブログ。要するに日記。

こだわりの時代のITエンジニア

 先日セミナーに行ってみたことは書いたが、いくつかのセミナーが時間を区切って行われる方式で、そのうちの一つで話された内容について触発されて考えた、というか思ったこと。
 そのセミナーの内容は、私の理解では、
 提供されるサービスが選択されるには、機能を満たしているのは当然として。そこにかけられている「こだわり」のような物が 選択の基準となる時代になる。講演者は、「マインド」という言葉を使っていた。
 で、例としてコーヒー豆を挙げていたが、値段も香りも品質も同じ程度のコーヒー豆が有ったら、たとえば職人が作ったとかいうふれこみだったり、環境に配慮しているというふれこみだったり、商品それ自体の価値以外の点で選択される事になる、そこから演繹するに、ITエンジニアにもそういう時代がくるのでは?との事だった。
 で。私はどうもその話を聞いてしっくり来なかったのだが、いろいろと考えてなんとなく考えついた、「どこがしっくりいかなかったのか」について書いてみる。

商品に付随する付加価値を知ってもらうには、広告が不可欠である。

 何も知らされなければ、コーヒー豆を作るのに環境に配慮しているなんて付加情報は分からない。それを知ってもらうには、宣伝を行わなければならない。エンジニアや、IT業界における広告宣伝の位置づけについての考察が無いように思われた。

企業がサービスを買う相手は、エンジニアではなくて企業

 セミナーでの内容は、これからのエンジニアはマインドを持って仕事をする必要がある、と言っていたが、コーヒー豆の例で言うとマインドを持つべきなのは企業なのでは?という気がする。
 これからの時代、会社として社会貢献とかそういう事を戦略的に宣伝していく企業が生き残って行くという話ならば、コーヒー豆の例から演繹される結果としては納得できるが、個人のレベルでは本当にそうなのだろうか?と思った。
 私はこんなこだわりをこめて物作りをしています、っていうのをエンジニア単体で宣伝してもユーザーに届くとは思えないし、届いたとしても仕事につながる可能性はあまり大きくないと思う*1。じゃあ、多くのエンジニアの直接のサービスの相手であるIT企業にそのこだわりを宣伝したとしたらどうだろう? 個人的感想だけどそういう事を大事にしてくれる会社ってのはまだあまり多くないのではないかと思う。現に私は、就職活動するときにこだわりを持って物作りをしたい、という旨の事を言っていたが採用面接の時はどうも受けが悪かったように思う。宣伝の仕方が悪かったのかもしれない。
 まあ、「次のプロジェクトもあの人でお願いします」という担当者個人のレベルでは、サービスを買う相手はエンジニアなのだから、スキル以上の付加価値をつける戦略もありとは思うが、戦略の一つに過ぎない気もする。

じゃあ、マインドとやらは不要なのか?

 でも、自分が楽しく、やりがいを持った仕事をするという観点からは、こだわりとかを持って仕事に入れ込むって姿勢は重要だと思う。というか、それが無いとただの金稼ぎだ。金稼ぎに終始するのもありとは思うけど、少し寂しい。
 そういう態度やら信念が認められて仕事ができる環境にあるとしたら、さらに幸せになれるのではないかな、と思った。ということで、自分が込められる「こだわり」をまずは自覚するところから始めたい。

*1:こういう人がいるので、その人が所属している会社に仕事を頼もう、ってよりはあの会社だったら大丈夫だろう、という会社のブランドの方がまだ強いのではないかと思っている。この辺は、私が企業という体制の中にどっぷりつかっているから思うことで、その枠組みの外から見ることができればそうではないと思うのかもしれない